2020/05/14 心理学科
現在、新型コロナウイルスの影響で、この先どうなるか予測が難しい中で外出自粛要請を強いられるという高いストレスを多くの方が経験しています。そうした中で、自分自身や身近な人が心身の調子を崩してしまったり、不本意に生活のリズムが変わってしまったりすることがあるかもしれません。新型コロナウイルスへの対処を行うことは必要不可欠であっても、それに伴って心身の不調に陥る可能性が様々な観点から指摘されています。新型コロナそのものや社会全体の状況を変えることは極めて難しいことであり、仕事や家庭や学校などの身近な環境を変えることもまた難しいことだと思います。そうした自分の外側にある環境をより適した状態に変えていく努力や工夫はとても重要なものですが、一方で自分自身の心と体の健康の維持のために、どのような工夫や方法があるでしょうか。すでにそれぞれ自分に適した方法を見つけている人もいるかもしれませんが、どうしていいか分からずただストレスをため込んでしまっている人もいるかもしれません。
そうした工夫や方法の一つの参考例として、日本ストレスマネジメント学会のホームページでは、一般の方向けに室内でもできる心身の健康を保つための身近な工夫が載っています(https://plaza.umin.ac.jp/jssm-since2002/covid-19/)。それは、「あかさたな はまやらわ」を頭文字として、あ:あるく、か:かがむ、さ:(体を)ささえる、た:たつ、な:なんでもたべる、は:(息を)はく、ま:(体を)まるめる・まわす、や:やすむ、ら:らじおたいそう、わ:わらう、というものです。このように心身の健康を保つための工夫というのは、決して難しいことではなく極めて日常的で普通の振る舞いが挙げられています。高いストレス状態では、出来る範囲の中で普通の振る舞いをして日常的な生活を送ること自体が心身の健康の維持に役立つとも言えるのかもしれません。同じホームページでは室内でできるストレッチなども紹介されています。
理学の観点からは、体の調子と心の調子はお互いに影響しあっていると考えられます。怪我や病気をすれば気分が落ち込みやすくなりますし、体調がいいときは気分も良くなることが多いでしょう。そうした心身の関連を利用し、気分が落ち込んでいるときや、不安や緊張が高いときに、体をほぐしたり一定の動きを行ったりすることで、心の不調をやわらげる方法があります。
少し先の予定になりますが、8月23日のオープンキャンパスにおける体験セミナーでは、こうした体を通じて心をほぐす方法について、体験を踏まえて紹介したいと思います。
(心理学科教員:丸山)