2019/07/16 心理学科
みなさんは将来,何になりたいですか?何になろうと思っていますか?若いみなさんは,まだまだたくさんの夢を持っていていいし,迷っていいと思います。
わたしは残念ながら,もうあまり迷えない年齢になってしまいました。でももし,十代の迷える年頃に戻れるとしたら,もう一度,同じ道を歩いたでしょうか,それとも...?と今でもいろいろ想像してみたりします。結局また臨床心理学を勉強していたかもしれないし,もしかすると,漫画家を目指していたかもしれません。白状すると,中学生の頃,漫画家になりたいな,なんてぼんやりと思っていたこともあったのです。まあ,この程度の画力では,相当精進しないといけなかったでしょうが...
漫画家にはなり損なってしまいましたが,心理学を専攻してからのほうが,漫画との縁は深くなったように思います。心理学は,人間の心の営み全般に関わる学問です。漫画や小説,映画,ドラマなどは,一般には"虚構"(作りもののお話)だとされてしまいますが,人間が心ひかれるからには,虚構の奥に,人間の真実の一片が潜んでいるのではないかとわたしは考えています。これまで,十代や二十代の若い人たちから,いろんな漫画作品を読むように勧められたりしましたが,人を感動させ,心をつかむ何かが,そうした作品の中にあることを,時にしみじみと実感させられます。
そんなわけで,来たる7月21日のオープンキャンパスでは,『漫画から学ぶ臨床心理学』と題したセミナーをおこないます。みなさんに広く知られた漫画を題材として取り上げようと思います。興味を持って聴きにきてくださったらうれしく思います。オープンキャンパスでお待ちしています。
(心理学科 教員)