2020/03/25 お知らせ
2020年2月27日、本学の国際学術交流協定校であるパラグアイ共和国のアスンシオン国立大学において、「パラグアイと日本の事例から考える地域を巻き込んだ農業普及」と題してシンポジウムを開催しました。本学からは、環境科学科の小谷助教に加え、2年生の田中もものさんと根木一早くんが参加しました。
アスンシオン国立大学はパラグアイ国内の最難関校であり、また学生数は約54,000人にも上り、キャンバスは数キロにもわたる敷地を有しております。当日は、少し緊張しながらも、昨年末から準備してきたスペイン語での口頭発表を行うため、アスンシオン国立大学農学部の講堂に赴きました。発表前は、発表原稿に目を通しながらも、笑顔が溢れます。
<カメラを向けると笑顔になる本学参加者>
そもそもパラグアイと日本は、1940年代後半からアメリカの支援を受けて本格的な農業普及活動が開始されたという共通点があります。また両国は、農業普及や農業技術支援など面において長年交流があるものの、特に農業普及においては独自の発展を遂げてきたという歴史的な背景があります。そこで、シンポジウムでは両国の農業普及の特色や転換点を振り返り、今後の農村開発の発展を考える機会とすべく企画されました。
シンポジウムでは、まずアスンシオン国立大学の教員と学生が発表を行いました。農学部内には、いくつもの学科があり、大学が地域住民と行う普及活動などが紹介されました。
また本学からの発表では、世界第5位の大豆生産国でありながらも大豆を食べる習慣のないパラグアイと、醤油や味噌など大豆を食生活の基盤とする日本に着目し、田中もものさんは「大豆加工食品を消費する日本の食文化と輸出志向型のパラグアイの大豆生産」と題して発表しました。
次に、大規模農業が主流であり動物による食害が問題として取り上げられないパラグアイの農業に対して、根木一早くんは「日本における動物による農業への食害」と題して日本の農業が直面する食害について紹介しました。
小谷助教は、「第二次世界大戦後の日本における草の根レベルの農業普及活動」について、発表しました。
<左から、シンポジウムで発表する本学の田中さん、根木くん、小谷助教>
海外でのシンポジウムに参加して、田中さんと根木くんは様々な体験を通して、感じることが多かったようです。以下は、学生から頂いた、今回参加したことに対する感想です。
【田中もものさん】
私は、日本とパラグアイの食文化・産業・貧困について、「大豆」に焦点をあてた発表をしました。スペイン語がうまく話せないこと、討論したくても知識がないことに悔しさを感じながらも、アスンシオン大学の学生や教員の方々と交流できたことをとても嬉しく思いました。特に、学生の皆さんの課外活動の紹介では、学生たちが主体となって社会問題解決に向けて活動している様子から、学ぼうとする真剣さや楽しさが感じられました。それに感化されてか、私もさらに一層、学びたいという意欲が湧きました。
【根木一早くん】
アスンシオン国立大学の農学部が持っている少し小さめな講義室で10分程の発表をスペイン語で行いました。スペイン語の発音は日本語に似ていますが、読みなれていないのでスラスラと読むのが難しかったです。海外の大学でその国の言語で発表することは、とてもよい経験で刺激的でした。そして、スペイン語に興味が湧きました。また、機会があれば参加したいと思います。
発表が終わると、参加したアスンシオン国立大学の教員と学生から、たくさん質問を頂き、活発な意見交換ができました。最後は、発表・運営に携わった方々とみんなで写真をパチリ
<参加者からの質問を受ける本学の発表者> <集合写真>
学生として過ごす4年間は、長いようであっという間に過ぎてしまいます。学生が興味・関心を持ったことに対して、本学は全力でサポート致します。