2018/08/17 環境科学科
人間環境学部のある岡崎キャンパスは自然豊かな場所に立地しています。キャンパスの演習林には、シカやイノシシ、サルも現れるようです。つい最近私もキャンパスの駐車場にてニホンザルの集団に遭遇しました。群れはすぐに演習林の奥の方へ行ってしまいましたが、思わぬ野生動物との遭遇に、短い時間でしたがドキドキしました。
岡崎キャンパスの近くでは、陸上動物だけでなく、水生動物も身近に観察することができます。キャンパスのすぐ近くに鉢地川という河川が流れており、岡崎キャンパスに通う学生、教職員の多くが毎朝この川にかかる橋を通って通学・通勤しています。私も大学に通う際、毎日この川を見かけている一人です。
先日、今年度後期から始める実習の下見を兼ねて、この川へ生物採集に行ってきました。長靴で川床の小石等をガサガサしてみると、カゲロウやトビケラの仲間、カワニナやサワガニなど、少しガサガサするだけでたくさんの生き物たちに出会えました。ガサガサしては何が採れたか観察するのを繰り返すのは宝探しにも似た感覚で、こんなに私たちの暮らしのすぐそばで、いろんな種類の生き物を見ることができるのは、普段私が行っているイルカ調査にはない感覚です。
私がいつも調査にお邪魔している熊本県の天草では、イルカを陸からもその姿を確認することもできたりしますが、よく観察したいと思うと、双眼鏡を使ったり、船に乗ることが必要です。水辺の昆虫類のように、アミですくってバットに取って、実体顕微鏡で形態をよく観察するなんてことは、野生で生きているイルカではほとんど不可能です。そのため、イルカの調査ではカメラやビデオで撮影することで、じっくり観察できるようにしています。しかし、素早く泳ぎ回るイルカを撮影するのは簡単ではありません。じっとしていて欲しいと願うことは多々ありますが、野生のイルカにその思いが通じたことは今までに一度もありません。
8月19日(日)のオープンキャンパスでは、環境科学科の模擬授業にて「イルカの社会をのぞいてみよう」と題して私が模擬授業を行います。海で自由に泳ぎまわるイルカを写真や動画に閉じ込め、みなさんにもじっくり観察してもらえるよう準備しました。水生動物に興味がある高校生のみなさんにも、あまり動物に興味のない高校生のみなさんや保護者の方にもぜひ足を運んでいただき、キャンパスの自然に囲まれながら、動物への興味を膨らませてもらいたいと思います。
(環境科学科 西田)