2018/06/27 環境科学科
6月15日、環境保全セミナーの第7回として、野生動物保護管理に会社員・県職員という立場から携わってこられた杉浦義文さんをお招きし、「野生動物保護管理を進める現場と行政」を開催しました。
アメリカで狩猟獣の個体数管理の目的から野生動物管理の考え方が生まれたことや、日本においてはシカやサルなど個体数が増えすぎた動物の管理に野生動物管理の考え方が適用されてきたといった背景、野生動物保護管理にかかわる行政の活動には法律が重要であることをわかりやすくご説明いただきました。
また、現場での仕事として、個体数調査や行動調査の事例を写真や動画を交えて具体的に紹介いただきました。サルのカウント調査の話では、瞬時に雌雄や齢クラスを判別することの難しさを動画で体験しました。シカを捕獲してGPS首輪をつけたことで、シカが数十キロも季節移動したことがわかったなど、保護管理に必要な情報であり、生物学的にも興味深い情報に参加者もワクワクしていました。
質疑応答では、これから学生が野生動物保護管理に携わっていくには何を身に付ければいいかといった質問に対し、「野生動物の保護管理への意欲だけでなく、人付き合いの能力が必要」という杉浦さんの返答が印象的でした。学生たちには、大学生活の中で、動物の勉強だけでなく、広くコミュニケーションスキルも養ってもらいたいと思います。
環境保全セミナーには、人間環境大学の学生だけでなく、他大学の学生、高校生、一般の方どなたでもご参加いただけます。次回の企画も準備中ですので、ぜひお楽しみに!
環境科学科 立脇隆文